東横イン西田社長がはまる“内観”という自己啓発メソッド

東横イン建築基準法違反問題にはまったく興味が持てないと思っていたんだけど、一箇所おもしろそうな所が出てきた。

それは東横イン西田憲正社長が帰依している“内観”という自己啓発心理療法

東横イン箱根国立公園内観研修所」なるものを作るくらいに入れ込んでるらしい。内観とは何かというのはコチラ。

内観(療法)は森田療法と並ぶ日本の精神療法です。吉本伊信によって創設され、そのベースには「他者から生かされている」という浄土真宗の教えがあります。現在では、宗教色はありません。

西田:私はもともと「内観」というものが好きで、ホテルを広げながら、それを広めたいと思っています。内観というのは、浄土真宗の「身調べ」の行というものから、その宗教色の部分を取り除いたもので、私は昔、その内観のお師匠さんのような方に怒鳴られて人生観が変わったので、ぜひ広めていきたいと思っておりました。そこで私が執筆した内観の本を、ホテルの部屋にそれぞれ聖書や仏典と一緒に置くようにしています。すると、それを読んで、内観を実際に体験して、自殺をやめたというようなお礼状をいただいたこともあって、やはり、ホテル経営を広げながら、もう一方ではこの内観というものを広めていけたらと思います。

そのお題目の「我を捨てれば金持ちになれる」というやつは京セラ稲盛和夫の「利他の心」と一緒で、体よく労働者の就労意欲を高めて生産効率を上げようという経営者に都合のいい現代版スタハノフ運動のようなもののようだ(まあ、自己啓発っていうのはどれも生産効率向上以外のなにものでもないんだけど)。

で、具体的な実践法はコチラ。

<吉本内観の実践>
 集中内観=1平方メートルほどの空間で1週間、朝5時半からよる9時まで、食事や入浴の時間を除き、過去の自分と他者の関係について徹底的に反省。特定の他者について「してもらったこと」「して返したこと」「迷惑をかけたこと」を振り返る。まず母親から始める。小学校低学年から3年ごとに区切り、次第に現在に近づいてゆく。次に、父親、兄弟、先生、友人、上司というふうに勧める。指導者が、1時間はんから2時間起きに訪れ、経過報告。内観の仕方について簡単なアドバイス、問題がなければ相づちを打って、次の課題を確認。
 日常内観あるいは分散内観:自宅で毎日おこなう内観。これを継続するのが理想的。
 集中内観は、現在、全国各地の病院や刑務所・少年院、高校の施設などで取り入れられている。

島薗進「救いから癒しへ――吉本内観とその宗教的起源」(『癒しと和解』所収)より引用(こちらより孫引き)


ふーん。本もたくさん出ている。
一週間で自己変革、「内観法」の驚異 (講談社ソフィア・ブックス)」、「内観療法入門―日本的自己探求の世界」、「感性を鍛える―内観教育のすすめ」、「小・中学校 子どもが優しくなる秘けつ―3つの質問(内観)で心を育む」、「内観―こころは劇的に変えられる」これはごく一部。
東横イン建築基準法違反とは関係ないけどね。自己啓発関連の資料にちょっと触れてみて、その歴史をちょっと調べてみたくなった。ま、それはまた今度。

おまけ
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