「俺のHIPHOP」論争勃発

小田嶋隆氏のブログで、「俺のロック」問題のヒップホップ版みたいなのが起こっていておもしろい。

そもそもは下北沢あたりのグラフティを巡って、小田嶋氏がこんなことを書いたことから始まる。

あのグラフィティーという絵文字は好きになれない。をというよりも、ヒップホップ音楽の周辺にわだかまっている要素のことごとく(ファッション、リリック、ダンス、DJ、グラフィティなどなど)が、神経にさわるわけです。
http://takoashi.air-nifty.com/diary/2006/02/post_eccc.html

おもしろくなったのは、こんなコメントが寄せられてから。ほぼ引用。

まず当然家などに落書きをする行為はイリーガル(法律違反)であり、あってはならないことですが、その切り口からHIPHOPやDJを「非社会的で大人になりきれていない無理解な若者」と完全に結びつけるのは違うと思います。傾向はたしかにありますが、そういうものはいわゆる商業HIPHOPといわれる物であり、リアルHIPHOPというそれとは別個に存在する世界と異なります。それはしっかりとこの音楽を聴いてる人でないとわかりません。それは確かに発端として抑圧された黒人の「抵抗」の音楽ではありますが、それはJAZZも同じであり、それら古きよきブラックミュージックをサンプリングという手法で再構築し、ラップという新しい表現を加えたいわばブラックミュージックにおけるJAZZの進化系であり、最も新しい黒人の表現手段です。マイルズデイビスも積極的にとりいれていましたし。ジャンルとしての完成度は絶対ロックに劣りません。TVにうつるチンピラを観て、その傾向だけでその文化を詳しく知らずに本質的に無理解な若者と結びつけるのは、そういう音楽を純粋に愛し、亜流であれ真剣に取り組んでいる人々に対して失礼であるし、批評として浅はかだと思います。

このコメント(名文)からいろんなものが見える。まず商業HIPHOPとリアルHIPHOPがあるということ。あと「抵抗」の音楽はいいらしいことと「ロック」はジャンルとしての完成度が高こと。あと、マイルスデイビスが取り入れたものはリアル(権威主義的だなあ。マイルスは商業ジャズだと思うけど。抵抗してなさそうだし。)。

いや、このコメントに対して批判したいわけではない。僕も音楽に貴賎はないとかって思ってないし、それぞれにこういう差別意識があることを表明するのは逆に正直でとてもいいと思う。僕なんかはロックは商業に取り込まれて無い振りをいまだにしているみじめな音楽だと思っている口だし。あと「ブスが好きな音楽」って記事もおもしろいと思うし。ただブスはアルフィーとか聴くんじゃないかとか思ってたりもする。


で、上の論争ですが、この次の日のエントリに移行し、そのコメント欄で続きが展開されます。
http://takoashi.air-nifty.com/diary/2006/02/post_59f9.html

こちらでは純度100%の「俺のHIPHOP」議論が展開するので必見。これを読んでたら俺のHIPHOP熱もヒートしてきたぜ! MC.AT.だけは誰がなんといおうとリアルHIPHOPだぜ! Bomber Head!

今夜は”ラップ”ダヨネ。

今夜は”ラップ”ダヨネ。