ディスコと宇宙年代記

スター・ウォーズ トリロジー DVD-BOX宇宙とディスコという話が中途で終わっていたので続き(以前の話題はこちら)。
ディスコブームの最盛期は1977年。この年、宇宙をテーマにして全世界的な大ヒットとなった映画が実に3本も公開されている。一本目は『サタデー・ナイト・フィーバー』。これがなぜ宇宙? という人はこちらへどうぞ。
≫Link≫そもそもディスコは宇宙をめざしていた
残りの2本は『スターウォーズ』(日本では78年6月)と『未知との遭遇』(これも日本では翌年のはず)。
一方国内に目を移せば『劇場版宇宙戦艦ヤマト』の公開も1977年。あと『スターウォーズ』の日本公開前にスペースオペラをやっちまえということで作られた『宇宙へのメッセージ』*1深作欣二監督)もある。マンガでは竹宮恵子の『地球へ…』が連載開始、よく78年には火星を舞台にした萩尾望都の『スターレッド』*2の連載が開始されてる。未知との遭遇【ファイナル・カット版】 [DVD]
一部はスターウォーズ・ブームからの流れだったりもするけど、何かと宇宙に縁のある年だった。一方、ディスコ界では1977年にEW&FがLP『太陽神』を発表(翌78年には『宇宙のファンタジー』が日本でヒット。79年に初来日を果たしている)。あとピンクレディの『UFO』も77年。155万枚という大ヒット。ちなみにピンクレディは米進出に成功した数少ない日本の歌手で、米ではディスコバンドとして認識されていた。
この宇宙ブームの翌年1978年には東京・有明の13号地で宇宙科学博覧会が開催されている。
≫詳細≫http://nippon.zaidan.info/kinenkan/history30/2/2531.html
そして、1978年といえば何より『スペースインベーダー』が大流行している。スター・レッド (小学館文庫)
ジェームス・ボンドが宇宙へ行く『ムーンレイカー』はさらに翌年の1979年のこと。
ディスコ的にはこの時代は、初期のギャンブル&ハフのフィリーディスコ期からすでにバカディスコ期へと移っており、流行を安易に商売にするという機運が高まっていた時期。なので、これらのネタはこんな風に消化された。

ジャケ参考=『「好きさバカ☆ディスコ」

1957年にソ連スプートニクの打ち上げに成功し、これに対抗し1961年にはケネディが「我々は月へ行くという選択をした」と、アメリカの次なるフロンティアが宇宙であることを示した。このアポロ計画は69年の月面着陸で一段落を迎える。これが60年代の宇宙ブーム。2001年宇宙の旅 [DVD]アメリカのポップカルチャー史になぞらえると、ロックンロールの死(バディ・ホリー没1959年)からウッドストック(1969)までといった感じ。キューブリックの『2001年宇宙の旅』はまさにこの時期の作品。
で、70年代末の宇宙ブームは起爆剤となった『スターウォーズ』自体が、1930年代の宇宙SFブーム回帰的を含んだものだったせいもあり、懐古趣味的な宇宙ブームの感も多少あるかもしれない*3。だけど、一方では新たな宇宙開発時代の幕開けでもあった。1976年に火星探査機バイキング1号2号が火星に軟着陸を果たしている。そして1977年にはスペースシャトルの試験機が飛行に成功している。
黒人はなぜ宇宙を目指すのかという深淵なテーマの答えのひとつに、たまたま宇宙ブームとファンク・ディスコが登場した時期がかぶっていたというものがあるという考察でした。007/ムーンレイカー〈特別編〉 [DVD]

【ディスコと宇宙と年表】
1975

1976ロック・クロニクル1952~2002―現代史のなかのロックンロール

1977

Clones of Dr Funkenstein
1978

1979

1980

1983Apollo: Atmosphere & Soundtracks (Dig)

*1:帆船で宇宙に行くというディスコ宇宙的怪作

*2:『11人いる』は1975年

*3:インベーダーゲームとか