NHKアーカイブス『なぞの転校生』(1975年放映)

40代の人が、印象に残っているドラマとして必ず挙げるのが、NHKの“少年ドラマシリーズ”という枠のこと。とくに、今回放送した『なぞの転校生』への思い入れは強い。
――主人公の中学生の隣の部屋に、奇妙な転校生が越してくる。その転校生は、雨やジェット機の音を以上に恐れる変わり者で、3年生の番長グループに絡まれても返り討ちにしてしまう。その転校生に不自然さを覚える主人公。ある日、転校生の自宅を訪ねた主人公は、無表情な怪しい人々が彼のうちから出てくるのに出くわす。主人公は、転校生が違う世界から来た事実を知るが、次第に友情が芽生えてくる。しかし、2人に別れの時が訪れる。最後の晩に自分の正体を明かす転校生。彼の正体は“次元ジプシー”で核戦争の無い世界を求めてさまよっているのだという。主人公の住む世界(D15世界と呼ばれている)に危機感を覚えた次元ジプシーたちは、次の世界に去ることになったのだ。必ずいつか帰ってくると誓い、次の次元へと去っていく転校生。
今回放送されたのは、1〜8話の総集編。そのあと、原作には無いオリジナルのエピソードの最終回、第9話が放映。
<第9話>――去ったはずの転校生が数日後にぼろぼろの姿で現われる。新しい次元で次元ジプシー狩りに会った転校生たちは、命からがら主人公の住む世界に戻ってきたのだ。しかし、再会した2人は新たな障壁によって引き裂かれることになる。彼ら次元ジプシーは主人公の住む世界での永住を決めるのだが、転校生の父が大阪の工場で働くことになり、2人にまた別れの時が訪れるのであった・・・。
かなり強引な最終回。9話目は完全に蛇足。大阪転勤って・・・。次元ジプシーの衣装は完全に“アイヌ人+宇宙戦艦ヤマト”。子供時代に観たドラマがやたらおもしろかったという記憶は自分にもあり、小学生時代に観た『安寿子の靴』という唐十郎ドラマを強烈に記憶していた。去年NHKアーカイブスで再放送され、実際観直してみるとそれほどじゃないんだこれが・・・。