フジテレビ『白い巨塔』

後半から見始めたのだけどおもしろい。一話で完結しない続き物のドラマを毎週真剣に見るのは、何以来だろう? 我ながらちょっと新鮮。
先週から財前教授の医療ミスを追求する裁判がスタート。このドラマの一番の魅力は派手なカットバック。裁判シーンも無駄をすぱっと切った見事な展開。特筆すべきは2話ほど前だったけど、弁護士の上川隆也が調査に乗り出し、本格的にカルテのコピーや撮影に乗り出すシーン。このシークエンスは、財前の手術シーンと、医療ミスの被害者の息子(中村雅俊Jr)が閉めていた弁当屋の再開作業のカットとという3場面を使ったセリフなしのカットバックが連続する構成。物語がまわり始めるのを感じさせる盛り上げどころ。物語展開とは無縁に財前の患者が急変したので、上川隆也のシーンと財前の手術のカットバックが来る気配はしたけど、弁当屋まで来たのにはやられました。

あと、登場人物の心象風景を表わす小物が毎週登場するのも、ヒッチコックの本人登場のようなお決まりになっている。今日は、水野真紀と息子がオセロをしていて、白の子供が逆転してしまうというもの。多分、正義を貫く旦那(里見助教授)とそれに反発する水野の関係の暗喩。
先週は電球が古くなってしまって交換しなくてはいけなくなるというもの(朝の出勤前に!)。これは、裁判で証言に立つことで今の職を失ってしまう里見の将来の暗示? それとも古い人間ということを意味してる? ややわかりづらい。
先々週は会議室のシーンで第一外科の人間が執拗にブラインドを閉めようとするシーン。これはもちろん後ろめたさの表現なんだけど、のちにカルテの改ざん部分を太陽にすかして見つけるための伏線としても効果する。