『興行師たちの映画史 エクスプロイテーション・フィルム全史』柳下毅一郎/著

『TV Bros』など書評では見るのに本屋の店頭に無いので、やっとAmazonで購入。届いて3日で読み終える。まず読む前から本のタイトルだけで、おもしろい本であることは確定。企画勝ち。
作家主義的な映画の見方を否定して見えてくる映画史のお話。リュミエール兄弟オーソン・ウェルズヤコペッティ、『シャフト』、『ディープ・スロート』、ウィリアム・キャッスルのギミック映画・・・、そんな映画たちをその視点で辿る。結果的には興行師の個性は強く映画の中身に反映され、作家主義で語ることのできる内容になってしまうのがアンビバレンツ!
最近は本ばかり読んでいるが、中でも夢中になった一冊。
この著者、かつて仕事をしたこともあるのだが、気難しそうな外見そのままに、気難しい人。メール交換だけでも怖かったほど。直接聞いたのか何かで読んだのか忘れたが「ドラッグだ、拡張された意識だとかって迷惑なだけで、馬鹿を拡張しても馬鹿なだけですよ」と鋭いことをいってたのが印象に残る。確かセカンド・サマー・オブ・ラブとかいって一部の人間がはしゃいでいた90年代前半くらいの頃の話。