P.W.シンガーとマイブームとしての戦争
ブログ再開というか、止めてたわけでもないのだけど、今年に入ってからの読書の記録を、自分の仕事のスタンスとの比較などを交えて遡っているところ。
昨日は今現在はまっているマイケル・ルイスについて書いたけど、今日は今年前半にはまっていたP.W.シンガーについて。
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この人の職業は、安全保障を研究するシンクタンクの研究員。元々は国際政治学を専攻し、そこからジャーナリスト的なことをしながら今の職という感じのようだ。
この人の場合、戦争を扱う理由は明確。まあいわゆるミリオタ。それはあまり隠さない。戦争が人を夢中にさせる理由として「戦争が人間ならではの最も強い感情を引き出すからだ。勇気、名誉、愛、リーダーシップ〜<以下略>が戦火の中で明確に表れてくる」と指摘するように、戦争には人が大好きな要素がそろっているのだ。
大勢が戦争反対を唱えても、なくなった試しはない。
この著者は戦争ワンテーマの書き手とはいえ、毎度ユニークな切り口の企画をもってきて、さらにわかりやすい本を書くのが特徴。学者ではない、むしろジャーナリスト寄りの立ち位置、企画のおもしろさ。この辺は、同じ書き手として参考になる。
さてと、ちょっと話は変わる。自分の話。今年はミリタリー関連の話題に沸いた年だった。エジプトのクーデター、リビアとフランス軍の交戦東日本大震災での自衛隊の活躍、米の友だち作戦、ビン・ラディン、カダフィ大佐の暗殺(前者は米海軍特殊部隊の作戦による)etc…。
実は今年になってから、かなりの数の戦争関連本を読み始めている。マーチン・ファン・クレフェルトとかそういうやつ。さらに、この3月辺りから、僕は約20年ぶりくらいで『コンバットマガジン』を定期購読するようになった。普段であればトイガンなど、ホビー中心のこの雑誌が、今年はこうした事件の連発に熱を帯び、実社会の出来事を捉える雑誌として、大人でも読める内容に変貌していった(元々そういう記事もあったのだが)。
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『コンバットマガジン』今年になって始まった書評連載もおもしろかった。しかし、今月から普通のホビー雑誌に戻った(書評連載も終わった)感があり、残念。
「軍事研究」のような専門誌ではなく、ポピュラーサイエンスみたいなのりのポピュラーミリタリー雑誌があればいいのにと思う。ホビー職が薄く、軍事関連の経済やテクノロジーの話題中心の誌面の雑誌が。
今年の自分のミリタリー熱もあり、来年は、戦争関連のテーマを研究題材にしたいと思っている。直球じゃないうまいテーマを模索中。
僕は自分のライターとしての仕事とは、「メディア」「テクノロジー」「経済」の3つを掘り下げ、「20世紀史」「歴史」を加えて調理するという形をとる。テーマ自体はなんでもいいが、手つきはそんな感じ。
これまでのテーマというと、CM音楽、自己啓発文化、ケータイ小説、ショッピングモール、ラーメンである。次とその次くらいは企画が決まっているのだが、どこかで戦争関連の関連企画をやってみたい。