『家族ゲーム』のラストシーンと『昭和歌謡大全集』のラストシーン

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その昔『家族ゲーム』(森田芳光監督)のラストシーンをどう解釈するかって話があって、いろんな批評家とかがいろんな解釈を披露していた。
家族ゲーム』のラストは、お母さん(由紀さおり)がうたた寝しており、ヘリコプターの飛ぶ音がしているという謎めいたシーン。
“あれは寝てるんじゃなくて死んでいて、人類も死に絶えている”とか“人間がヘリが飛ぶような高いところに住んでいるという文明の暗示”だとかよくわからない解釈ばかりで、いまだによくわかっていない。今となっては、テレビ放映のエヴァの最終回みたいなもんなんじゃないかとおもうんだけど。
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で、先日『昭和歌謡大全集』をようやく観たんだけど、そのラストがやっぱりヘリコプターの音&松田龍平の寝顔なの。小説のラストはヘリから降りてパイロットに“おまえら何者だ?”って聞かれ“俺たちは誰でもない。無視されて生きてきたんだ”みたいに応えるシーンだった。(これは『コインロッカーベイビーズ』の“おまえたちはサーフシティベイビーズか?”という問いに“コインロッカーベイビーズさ”って答える部分と対比させてるのか。)

つまり松田龍平の寝顔&ヘリの音っていうエンディングは、映画独自エンディングということで、『家族ゲーム』(主演は父の松田優作)のラストに呼応してのものだ。多分。
ウェブではこのことに触れてる文章がなかったので書いてみたけど、多分この映画が公開された頃はさんざん雑誌なんかにかかれてたのかもしれないけど。