井上ひさしと石原莞爾と阿部和重と大友克洋の共通点と独立と半島とクーデターと

 
国内独立国家考/あるいはカウンターとしての半島
http://d.hatena.ne.jp/d-sakamata/20050130/p1

「日本からある地域が独立してしまうという物語」についての考察。
吉里吉里人』、『ひょっこりひょうたん島』と独立話を書いた作者井上ひさし満州国設立の立役者、石原莞爾が同じ山形県出身という話。

最近で言えば、阿部和重あたりもこの系譜につらねられるような気がする。

阿部和重山形県出身)の『インディヴィジュアル・プロジェクション』は登場人物には昭和の国家主義者たちの名前を与えられ、血盟団事件五・一五事件の日付がなぞられている(参照:id:saCLA:20040113)。ちなみに石原莞爾と昭和の国家主義者たちには日蓮*1主義者という共通点がある(参照『化城の昭和史―二・二六事件への道と日蓮主義者〈上〉』)。

大友克洋の短編「信長戦記」(作品集『GOOD WEATHER』綺譚社、1981年に収録)は、静岡県内の国有地を含む広大な土地に突如として城が築かれ、その城主で織田信長を名乗る謎の人物から、政府宛てに静岡県を明け渡し独立国として治外法権を認めるよう伝えられてくる場面より始まる。メトロポリス [DVD]

大友は山形のお隣の宮城県出身で、脚本を担当した『メトロポリス』の中でも、明らかに二・二六事件をモチーフにした大雪の中のクーデター・シーンを登場させている。
あと、これは補足になるかはわからないけど、本宮ひろ志(千葉県出身、半島!?)の『男一匹ガキ大将男一匹ガキ大将―本宮ひろ志傑作選 (1) (集英社文庫―コミック版)には北海道を独立させるエピソードがある(傑作選には収録されてないんだっけ?)。北海道独立といえば村上龍長崎県出身、半島?)の『愛と幻想のファシズム(上) (講談社文庫)』、『希望の国のエクソダス (文春文庫)』がある。
サブカルチャー風土記』刊行の折には、ひと声かけてください(笑)。

*1:千葉県出身。id:throwS氏よりタレコミ