今日のディスコ

 10年以上の時を過ごした下北沢を離れ約ひと月。早くも懐かしくなって凱旋してきた。僕は基本的には物欲のない人間なのだけど、“資料”というエクスキューズがあると無尽蔵に物を買っていまうという習性がある。今日の散在のエクスキューズは“ディスコ研究のための資料”。レコード、CD、本、古着などなど……。にしても、ディスコ史年表のラフを作り始めたんだけど、思った以上に難しい。id:dogplanetさんのチャート式サブカル年代記大槻ケンヂを軸に展開させているように、何か軸になるものを見つける必要がありそう。BUMPとかハッスルみたいなステップを軸にするとシーン全体が見通せないし、モータウンフィラデルフィアとレコード会社、もしくは街ごとに分けると周辺文化が入りにくくなるやっぱりチャート式でなく、単純な年表がいいのかな。だけど、やっぱりトム・モウルトン*1みたいなシーン全体に関わっている人とかをうまく図で表せないと意味無いしなぁ……。
 ディスコの話の続きをすると(っていうか最近ディスコのことしか書いてないけど)、ディスコの語源である“Discotheque”という言葉がいつ、どのように生まれたのかを調べるだけでもかなり大変。さすがに語源はマストだよなぁ。
 ディスコの誕生の背景にはストーンウォール暴動に端を発する(ハッスル!)同性愛者の解放運動の波及がある。黒人でゲイという二重のマイノリティから始まったディスコ・カルチャー。NYはグリニッジ・ヴィレッジのアンダーグラウンド文化として70年頃に始まり、75年くらいにはその過剰な部分がデフォルメされた形で、メイン・カルチャーへと吸い上げられていく*2。そして、3〜4年で収束へと向かう。これが大雑把なディスコ史。ちなみに僕の作成しているディスコ史年表は、ラリー・レヴァンからMAWへと連なるガラージ・ハウスの流れと、ヴィレッジ・ピープル、ホット・ブラッドといった馬鹿ディスコの流れをいっしょくたに見通せる壮大なものを想定してる。もちろん社会情勢との関連も大切だし、日本独自のディスコ・カルチャーもある(サーファーディスコとか)。はたまた、チューバッカとかブルース・リーなど、精神的ディスコ文化も忘れてはならない*3

 ところでナウなJ-POPの話に変わるけど、“ASIAN KUNG-FU GENERATION ”とか“サンボマスター”っていう名前は、もろにウータンとかグランドロイヤルな文化圏のネーミングな気がするんだけど、全然関係ないんすか? ヒップホップですらないんすか?(ホントによくわかってない)

 

*1:こんな人までキーワード化されててスゴイ。id:third_stoneさんありがとう!

*2:サタデー・ナイト・フィーバー』の公開が確か77年

*3:精神的ディスコ文化についてはこちらを参照のこと↓http://d.hatena.ne.jp/samurai_kung_fu/20040818