片桐竜次

『仁義なき戦い』のシリーズなどにも出演しているキャリア30年を越えるベテラン俳優、片桐竜次。たしか、ピラニア軍団の一員だったとも記憶している。シリーズものの刑事ドラマには必ず一度は犯人役で登場しているといっていい。しかも、『特捜最前線』〜『金田一少年の事件簿』までと活動の枠も幅広い。
顔を見ればたいていの人は観たことがあり、2時間ドラマの犯人率も相当高い。必要以上に前面には出てこない地味な悪役をやらせれば天下一品、まさに悪役のプロフェッショナル。
彼が一時期、ポスト松田優作を狙えるポジションにいたことも間違いない。『新宿25時』という、優作と片桐が刑事役でコンビを組むという映画の企画があった。しかし、この映画はなんらかの理由でお蔵入り。その後、ハードボイルドな刑事モノというジャンルは衰退の一途を辿り、彼の活躍場所は２時間サスペンスやＶシネマへと移って行った。もちろん片桐のそこでの活躍も素晴らしいものではある。
一度、某雑誌の企画で片桐竜次のインタビュー企画を進めたことがあった。“大人が楽しめるテレビドラマが少ない！”という趣旨のページで、片桐竜次にどうしたら大人向けアクションを再生できるかを問うという内容の企画書を事務所に送ったところ、ご本人は乗り気だったとのこと。
しかし、何のあおりでもなかったため事務所の側が提示してきたギャランティと額が折り合わずその企画はボツ。たいした金額ではなかったので、自腹切ってでもやっておくべきだったと後悔。この企画はまたなんかの折に実現させたい。