芥川賞雑感(W村上かよ!)

芥川賞受賞作「蹴りたい背中」と「蛇にピアス」の掲載された文藝春秋を連れ合いが買ってきた。件の作品は未読(多分今後も読まないとは思う)。綿矢りさ金原ひとみの両インタビューが掲載されているので目を通す。両人ともあまりに正直に読書遍歴を語っているのに驚いた。自分の高校時代(かれこれ10数年前のこと)の読書傾向と変わっていない。文学というジャンルが20年近く何の進歩もしていない。今回の芥川賞選考はこれを見事に証明した。村上龍の「コインロッカー・ベイビーズ」と村上春樹の「風の歌をきけ」って・・・。
それにしても、高校時代の自分だったら恥ずかしくてW村上を読んでいるなんて友達にすらいえなかったことを考えると時代は変わったのかもしれない。10代の頃、自分が読書遍歴を訊かれたら、もっとひねくれた答えをしたはず。「本宮ひろ志トマス・ピンチョン」くらいは言うだろう。それが、芥川賞受賞のインタビューだったら間違いなく「赤川次郎しか読んだことがない」くらいは言う。フリッパーズ世代だったから?