今週の『白い巨塔』は・・・

シナリオ技術のチェックでないのだが、気になった点がひとつ・・・。
かたせ梨乃の弁当屋の従業員たちが新しい店を開くために店を辞めていくというくだりで、退職金だと無理矢理事務所の金庫から札束を奪っていく。正直楽しんでみていたドラマだったのにちょっとがっかり。大映ドラマじゃあるまいに。
大映ドラマ的というのは、不良ばかりのラグビー部が日本一を目指すという話で、近所のラーメン屋の夫婦(梅宮辰夫と和田アキ子)まで殺すなよ! というようなこと。まあやり過ぎ。
元々『白い巨塔』の原作なり、過去の映画・ドラマの持っている、権力志向の強い主人公が権力闘争の末上り詰めていくというテーマは、高度成長期だからうけた過去の題材。それを、いかに今の視聴者に受け入れられるように脚色するかというのが唐沢版『白い巨塔』のテーマなはず。基本的にはそれは成功していると思っていた。だけど件のくだりは、とても現代のドラマのリアリティから逸脱しているように思う。
江口洋介が「気のきいた店を知らなくて・・・」といって矢田亜希子を連れて行くのが、本当に庶民的な定食屋というのものも違和感があった。とてもベタな感じ。野島伸司的なあざとさというか。江口洋介が作った里見先生のキャラクターを台無しにしてしまっていないか? とちょっと疑問が残った。