ファンダメンタリスト

イージー・ライダー 〔SUPERBIT(TM)〕 [DVD]
先週借りた「イージー・ライダー」のJ・ニコルソンの出てくるシーンだけ見直す。あの、バーボンを流し込んだあとの、“ニッニッニッ、インディアン!”というセリフはどういう意味があるんだろうか? それはともかく、この自由を実現した2人のヒッピーが,南部の田舎町で撃ち殺されるという話が持つテーマは、今だにそのまま通用する。 
白髪とでぶっちょで知られるキリスト教右派の宣教師ジェリー・ファルウェルは、9月11日の同時多発テロを、フェミニストやゲイがのさばり過ぎたことにたいする神の罰、と発言したそうだ。この人はこの手の失言が多く、ある意味正力、ナベツネのような存在なのかもしれない。いわゆるブッシュの神輿を担いでいる連中には、軍事産業ネオコンだけでなく、この手のハードコア保守層がいるのだ。15年位前にテレビで説教をし、寄付金を募る牧師の話を『マイアミ・バイス』で見た記憶がある。今思うと、このファルウェルがモチーフだった。確か、テレビで荒稼ぎして、政界に乗り出すとかそんな話ではなかったか・・・。
『イージー〜』の中でニコルソンが「この街は美化運動の最中で・・・」とホッパーとフォンダが捕まった理由を教える。ファルウェルが1978年に始めたのも“クリーンナップ アメリカ”とう美化運動だった。その後、“モラル・マジョリティ”という政治団体に代わり、共和党の支持団体としてレーガンを大統領に押し上げ、彼自身はホワイトハウスのアドバイザーのポジションを手に入れる。
人間が猿から進化したことを信じず、悪魔の存在を信じているアメリカ人は全体の役半数といわれている。これは僕らの理解の範疇を超えている。
個人的な印象だけど、誰もが自由を求めているわけではない。高校の頃の話。制服を廃止を巡るアンケートが実施されたことがあった。ほとんどが制服廃止に反対だった。その理由は毎日服を選ぶのがメンドーというようなものだった。すくなくと保守王国といわれるような地方都市の高校生は自由をもとめていない。多分、この事件は我が人生になんらかの影響を与えた。