正月雑感

1日は朝からワイン片手に大好きなブルボン・ルマンドを頬張りながら元旦の新聞を読んだ。ブルボン王朝のごとき優雅な元旦(ルネッサン!)。でも新聞は、例年になく地味な元旦版だった。
1月1日の一面は、基本的に今年一年を占う記事を持ってくるのが例年の決まり事で、今年は「陰るハリウッド」という記事。つまり、アメリカ一極集中時代や金融資本主義の終焉を占う内容だった。
まったく同じアングルは今年の大晦日の格闘技大会Dynamite!でも、青木真也がぶちあげていた。これは地上波ではカットされていたけど、青木真也エディ・アルバレスに完勝して、「格闘技のトップ、アメリカ!オイ、UFCよく聞け!!PRIDE買ったダナ・ホワイト、よく聞けよ!!日本がトップだ、コノヤローッ!!」と宣言していたっけ。
金融マネーで膨れあがったUFCが、鎖国状態のPRIDEを二束三文で買収し、消滅させたことへの恨みがこの言葉の裏側にあるのはもちろん、相変わらず冴えている佐藤大輔の煽りVきちんとこの発言の前振りになっている。
毎年言うけど、格闘技はペイパービューで見るべき。桜庭vs田村戦の佐藤大輔版の煽りV観ていない人間とは、格闘技の話はしたくないね。

個人的には、アメリカや金融工学の時代がそう簡単に終わるとは思えないけど、スポーツの世界で起こっていることは、ちょっと理解できる。

PRIDEが消滅したのは、みんなが信じているような裏世界のせいではなくて、明らかにアメリカの金融マネーとロシアのカジノマネーのせいだったけど、結局そこで生まれた新勢力は気が付いたらどこかへ行ってしまい、選手たちも落ち着くところに落ち着きつつある。
古巣を捨ててUFC金融工学サイド)に流れたノゲイラ、シウバはUFCでぼろ負けし、カジノマネー(金融工学サイド)に流れたヒョードルは、ついに戦う場がなくなった。2年前の時点では勝ち組だった彼らがいまや微妙であり、2年前で負け組だった国内残留組がいまや勝ち組になりつつあるんじゃないか。
元旦の朝日新聞に載っていた、古くからのマンチェスターユナイテッドのファンが、金融バブルに乗じるチームに拒否を示し、自分たちでチームを作る話に通じる。あまり、こういうナイーブなものの見方も好みではないのだけど。

2日は取材もかねて、三郷のIKEAに行った。子どもたちがルネッサン、ルネッサン言っていておもしろかった。