ボサ・ノヴァがささやくように唄われる理由
鈴木芳樹氏の記憶にある、ボサノバ誕生の秘話から引用。
ボサノバが囁くような歌唱法を多用したのは、都市部に住む中産階級の若者に人気があったからだとか。彼らが住んでいるのはだいたい壁の薄い安アパートで、夜中にギターを弾きながら大声で歌っていると、たちまちとなりの住民から文句を言われる。真夜中まで大声で歌って騒いでも文句を言うひとが少ない田舎とは、大きく異なる。
http://d.hatena.ne.jp/yskszk/20070908#p1
たしかに『ボサ・ノヴァの歴史』という本には、上の話に近い逸話が出てくる。ナラ・レオンのアパートがサロンになって多くのミュージシャンが集まって、毎夜ギターで唄っているうちに、なんとなくボサ・ノヴァが生まれる土壌ができたという話。それはそれでウソではないだろう。
でも、ボサ・ノヴァがささやくような歌い方をする理由を端的に言えば、ただ単にジョアン・ジルベルトが当時流行していたチェット・ベイカーの唱法をパクったから。
yskszk氏は、“社会状況が音楽のスタイルを規程する”みたいな話が好きみたいだけど、僕は、もっと身もふたも無い“元ネタありき”みたいな話の方が好きだ。
『ディス・イズ・ボサノヴァ』という映画が公開されているのか。
http://www.wisepolicy.com/thisisbossanova/
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