その2

前回=id:gotanda6:20070329:motown
そこそこのお金を得てジョージアからデトロイトへと移住したベリー・ゴーディJRの父(彼もベリー・ゴーディJRだったわけだけど)は、住むための家を購入した。しかしそれは不良物件だった。南部では小金持ちだった父ベリーは、ここで貯蓄を無くし、鉄工員や左官の職を得てゼロからスタートする。しかし、そこは商売上手のゴーディ家の人間だけあってか、再び貯金をして自らのお店“ブッカー・T・ワシントン食料品店”を得て、そこを元手に印刷業など多角経営に乗り出す。
ブッカー・TというとMGSやWWEのレスラーを思い浮かべるが、その元ネタは19世紀の黒人教育者ブッカー・T・ワシントン(Wikipediaの記述)で、彼は黒人たちのリスペクトを受けて、いろいろなところに名前が残っているのだ。
そして、その頃、ついに我らがベリー・ゴーディ・JRが誕生。1929年11月28日のこと。世界恐慌の年だ。
多くの黒人の子供同様JRは街角で靴磨きなどをする少年時代を送る。そして、これまた定番の道なのだが、ティーンエイジャーの頃にボクシングに出会い、プロボクサーを目指すようになる。ベリーは裕福な家の子供だが、この辺りはジェームス・ブラウンの少年時代と似ている。
ベリー・ゴーディJRは練習が好きではなかったようだが、運動神経がよかったせいか、アマチュアではなかなかの成績を残す。そして、16歳の時に、高校を中退し、プロボクサーになった。
ネルソン・ジョージはこう書いている。
「彼があまり本を読まない人間になってしまったのはそのせいだった」
続く。

モータウン・ミュージック

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