[犬株]みんなコモデティ言い過ぎる件 その2

上のエントリの「みんなコモデティ言い過ぎ!」の続きです。id:anotherさんが教えてくれました。
はてなキーワード=「コモディティ

【commodity】

品質、機能、形状、その他すべての属性が、標準化の進展、技術の発達、市場の発達、ライフサイクルの成熟化その他の理由によって安定的に均一化・共通(Common)化して、交換・代替が容易な普遍的(Universal)価値として確立した商品.
コモディティ(日用品)

日用品ならわかるよ。ようやく話が通じた。「日用品化する」っていうんじゃ意味が通りにくいから「コモデティ化する〜〜」みたいに言ってるわけか。なるほど。でもコモディティって早い話がディスコ化のことだね。
70年代半ばにディスコっていう音楽の大衆消費の土壌が生まれ、ディスコ・ミュージックが爆発的に消費されるようになった(「市場の発達」)。
それまで音楽を提供するアーティストには、高度な演奏テクニックや強烈な個性などが必要とされたけど、この時代は一枚のレコードスタジオ・ミュージシャンや無名の新人らがたくさん登場。彼らが安い予算で作ったレコードがヒットするもんだから、これまで高コストでレコードを作っていたスターたちも、コストダウンを余儀なくされ、みな安価なディスコレコードで追随した(「均一化」)。ちなみに、ディスコレコードが安く作れたのは録音・編集といったスタジオ技術の進化が背景にあった(「技術の発達」)。そんなこんなで市場はさらにディスコ・ミュージックであふれかえり、ディスコ・ミュージックのオリジネーターだったジェームス・ブラウンすらこの時代は不遇の時期を送った(「交換・代替が容易な普遍的価値として確立された商品」)。
ほーら。ディスコ化で理解できる。
ちなみにR30氏は「コモデティ化する市場で生き残る戦略は以下の2つにひとつ」だと言ってる。

  • 同等以上の機能・利便を全く異なるアプローチで実現する画期的な技術革新を生み出して、元の市場をスプリット(分割)するか、あるいは消滅させる
  • 調達・生産から流通機構までを徹底的に効率化し、究極のローコスト・サプライチェーンを作って勝ち残る

『2005年の衝撃トレンド・属性のコモデティ化(その1)』

前者の代表がiPodのアップルで、後者の代表がPCにおけるデルらしい。
ちなみにディスコ化した音楽の市場から生き残ったのは、『スリラー』でスーパースターになったマイケル・ジャクソン。これはMTV・音楽の視覚化という一種の技術革新にのった前者の成功例。
後者の生き残りは無理矢理気味だけどマドンナ? 職業的な作曲家らに楽曲の制作を託す分業制&MIDI化というコストダウンで成功。苦しいか? う〜ん、もうちょっと気の利いた例があるか考えてみます。