合言葉は宇宙とディスコ

「ディスコと宇宙」というテーマについて考えると話が長くなることは確実なので、まずは「その1」として「黒人音楽と宇宙」。まず一番わかり易いのがパーラメント
Mothership Connection
Clones of Dr Funkenstein
Funkentelechy Vs the Placebo Syndrome
 
パーラメントジョージ・クリントンが率いるファンクバンド。彼ら(Pファンク・オールスターズ)は契約の都合でパーラメントファンカデリックというふたつのバンドを使い分けていたんだけど、パーラメントのコンセプトはまさに「宇宙からきた人たち」というもの。

俺たちは地球上の存在ではない。宇宙から来たのさ
――ジョージ・クリントン 

Pファンクのステージには普通にUFOがこしらえられたりする(笑)。写真は見つからなかったけど。
それから次はこちら。
太陽神
ザ・プロミス (CCCD)
アース・ウィンド&ファイヤー。彼らはバンド名からしてありえない感じ(笑)。宇宙というか、エジプトとか古代文明とかがすべて一緒くた、あやしいものてんこもり。ディスコがサイケデリック・ヒッピーカルチャーの末裔だっていうのを体現しちゃってる。
ちなみに、彼らのステージ衣装は宇宙服チック。あー、でも写真見つからず。↓の写真は宇宙服とかそういうレベルじゃないですな。

ファンクの定義は「宇宙服を着て演奏するブラックミュージックのこと」といっても過言ではない。上記ふたつだけではなかったという証拠はコレ。
Kilowatt
これはアースじゃなくてKay-Gee'sという連中です。NHK少年ドラマシリーズみたいな宇宙服。

ほかにもフィラデルフィア・レコードのDexter Wanselというアレンジャーが1978年に『VOYGER』というスペース・ファンクという趣の作品を出してたりする。
宇宙大好きミュージシャン界きっての大御所はこの方。サン・ラ

Spaceship Lullaby 1954-60

Spaceship Lullaby 1954-60

なぜ黒人は宇宙を目指すか? 『ブラックマシンミュージック ディスコ、ハウス、デトロイトテクノ』で野田努は「故郷(アフリカ)を奪われ、帰るところのない黒人の魂は宇宙へ向かう他なかった」(あとでちゃんと引用するかも)と解釈してますが、サン・ラ、ジョージ・クリントンモーリス・ホワイト……etc ってたんにキ印ばっかじゃん! という説もあります。白人にもジョー・ミークっていう英国のキ印プロデューサーも宇宙大好きっ子がいます。その話は近づいている彼の命日にでも…。
それはともかくファンクというのはシンコペーションを強調した、抑圧と解放を反復させる音楽。その「解放」の要素のみが行き過ぎてディスコ・ミュージックが生まれていく。そんな「ディスコ」は最初から宇宙を目指した。そもそも場所としてのディスコというのは、宇宙を再現する場だった……、という話はまた次回。というか次回がこの謎の深淵に近づく内容になる予定。