浜崎あゆみから手嶋ゆうへ〜レタッチされ続けるバーチャルアイドルの系譜

さあて、昨日のエントリの実験結果ですが、まず元ネタはこちら。

手嶋ゆう YOU&I [DVD]
最近は「手嶋ゆう YOU & I」のクリック率がかなり高くて笑ってしまった。この下乳でついクリックが!
id:kanose:20050117#amazonclick

手嶋ゆうのDVDのクリック率が高いというので試してみたというわけ。
結果ドン!

上は今年に入ってから昨日までのアクセス・クリック・スルー・ランキング。17日の午後にアップしたばかり、つまりたった半日しかさらされていない「手嶋ゆう YOU & I」が全体の2位(同着)というのは明らかにクリック率が高いみたい。
その理由は下乳にカーソルを持っていってしまうというのと、これがCGなのかイラストなのか写真なのか判別がつかないから確かめたいという心理からきているのだろう。クリックしたらもっと大きな写真が見られるかなと思ったら、アマゾンに飛ばされたっていう(ゴメン)。
フィギュアの写真みたいだけど、グラビアの子なんですね。やり過ぎかなって気はするんだけど、意図的な写真処理なんだろうなあ。
伊達杏子ことDK-96は、その名のとおり1996年に登場したバーチャル・アイドルだったんだけど、コストの問題などでブレイクはせずに終わった。しかし、その後の1998年に浜崎あゆみが登場する。浜崎あゆみがバーチャルだっていうのは別に「作られたアイドル」とかいう話ではなく、単純に写真や何やすべてが「レタッチ済み」だっていう話。
もちろん、グラビアアイドルの写真だって大昔からポジにクレヨンを塗ってホクロを消したりレタッチはしてるんだけど、浜崎の場合は「そっと」ではなく「あからさまな」にレタッチを施している。ホクロ、シミはもちろん肌のグラデすら許されない限りなく「人工的」で「16色に減色」された肌。もちろんコレを支持したのは二次元大好きのフィギュア萌え族じゃなくって、アユと同年代の女のコたちだったっていうのがおもしろいところ。
以前、TIMEかなんか海外の雑誌でのインタビューで、アユは自らの写真を自分で選ぶという話をしていた。経験的に、モデルの女性なんかに「気に入った写真を選んでいいよ」っていうと、編集者(男)はまず選ばない「欠点はないけどつまらない写真」を選びがち。浜崎あゆみの写真っていうのは、まさにそういう感じだ。
菊地成孔は『歌舞伎町のミッドナイト・フットボール―世界の9年間と、新宿コマ劇場裏の6日間』の中(17章マイケル・ジャクソンの鼻)で、現代の米ブラック・ミュージックが「人工美への徹底」から成り立っているという話をしている。ビヨンセジャネット・ジャクソンといったチャート常連の歌手の楽曲を評し、

凄い素材をあらゆる人工化によって、完全に制御しています。極端に言うと、プロトゥールス。切り貼りが過ぎて音が汚いと思う側面すら有ります。

といっている。
アナロジーとしてマイケル・ジャクソンの整形を持ち出し、米の音楽界はMJの引力の中にいるというまとめが秀逸。これを逆のアナロジーとして用いれば、アユというのはプロトゥールス引力の中にいて、手嶋ゆうのDVDの表紙というのは、さらにそれが加速したものといえる。
浜崎あゆみフォトショップ化した「美」なら手嶋ゆいはプラグイン化(エフェクト?)された「美」とでも呼んでおくべきかなあ。まあ、その領域を誰が支持するのかという話なんだけど。

*あ、このクリックスルー実験はこちらでも開催されているでごたる。
『in between days』
『出逢い系ヲタの過激な恋愛記』

 
【追記】ちなみに、さらに24時間がたってのクリックスルーを確認したら、77と倍増! 圧倒的じゃないか我が軍は! あ、お買い上げはゼロですけど……。