セミビキニの文章構成

セミビキニ/文章構成の魅力『半地下通信』
『セミビキニ』とシンガー板尾の魅力の考察。
【ちょっと追加】
今月末に書籍化するという『実録鬼嫁日記』の笑いってのは、例えるなら「猫が魚をくわえて逃げていきました」っていうのを戯画化しているのに近い。『サザエさん』時代の古典的手法。実際、改行を利用したりフォントサイズを大きくして強調させるという手法もわかりやすくはあるけど、笑えないネタでそれをやられるとつらい。
一方『セミビキニ』は手法的としては、フォントサイズや改行によるギミックはなし。文章の構成でおもしろさを演出しているので、「吹く」という感じの瞬発力の笑いではなく、あとから誰かに話したくなる類の可笑しさ。主に書き手の周囲の非常識な人物との生活をつづっているのだけど、レギュラーの登場人物とゲスト的な登場人物の存在がはっきりわけられており、サーガ的なつくりになっている。
セミビキニ』の書籍化は僕がどうこういう前に、もう話がきてるとは思うんだけど、加筆して小説というのがいいんじゃないかなと思う。