[BEST]マンガのディレクターズ・カット待望論

出版社側の要請により人気マンガは連載が長期化がち。『生徒諸君!』でいえば、双子の妹・マールの死により精神に異常をきたした母の言動でアイデンティティを見失ったナッキーが、仲間たちの力で無事、本来の自分を取り戻すという落ちがつきながらも、連載はそこで終わらず長期化。
当初は、反目する優等生と不良がナッキーを介して仲良くなったり、大阪から転校してきたヤンキーと殴り合いをしたりといった学園ラブコメだったのが、長期化によって“敵のインフレ化現象”を引き起こしていった。
仲間がレイプ→妊娠、アメリカの財閥の御曹司(考え得る最強のライバル。自分のことをミーと呼んだりするタイプが多い)が登場、仲間の一人が雪山で遭難……。うわっ、ヘヴェー! なのに、最後は学校の先生になって終わりという非常に小さなところに集束してしまうというエンディング(笑)。
マンガの名作はこの手の編集部都合の引き伸ばしで、ずたずたになっていくわけで、その傾向がもっとも強い『少年ジャンプ』では、人気作品がこの敵のインフレ化現象で台無しになっている。
で、何で誰もやらないのか不思議なんだけど、漫画家はジョージ・ルーカスみたく“ディレクターズ・カット”を作らないのか? 生きてるうちにやんないと、誰も手がつけられなくなっちゃうよ!

ほかにも名作・傑作、蛇足マンガのここがいらないという指摘、私案を募集します! 

男一匹ガキ大将―本宮ひろ志傑作選 (1) (集英社文庫―コミック版)
【追記】
コメント欄でのtoronei師のタレコミで、集英社版『男一匹ガキ大将 傑作選』がディレクターズ・カットであることを知る。まさに敵のインフレの最右翼! 本宮ひろ志。文庫版全7巻で、半分近くがカットされている(著者本人の意向で)模様。富士の裾野対決までは覚えているんだけど、それ以降って何があったんだっけ? と思って調べてみた。
『人声天語』第94回「男一匹アホ大賞」
http://www.acidmothers.com/Cgi-bin/magz/jt/jt094/#B2
なんと、ペルシャ湾で戦争したり「北海道をユートピアとして新しい思想の独立国家にすると市民を革命へ扇動し」たりするらしい。おれはそこまでは読んでないことが判明。北海道独立といえば、希望の国のエクソダス (文春文庫)愛と幻想のファシズム(上) (講談社文庫)愛と幻想のファシズム(下) (講談社文庫)
辺りを思い浮かべるんだけど、これって本宮ひろ志が元ネタだったんだ。