遅れてきたアクション・スターの死

又野“ブルース”誠治さん自殺。
夕刊紙の見出しに「太陽にほえろ刑事・死亡」の文字を見つけ、だれだれ? ブルース? などと軽口を叩いていたら、本当にブルースこと又野誠治さんで軽いショックを覚えた。


23日午後6時40分ごろ、東京都杉並区西荻南の居酒屋「Aサイン」店内で、経営者で俳優の又野誠治(またのせいじ)さん=本名・成治=(43)が首に布のようなものを巻きつけて倒れているのを手伝いに来た妻(25)が発見し、119番通報した。(夕刊フジ
どうやら自殺のようです。同郷のスター・松田優作にあこがれ上京し、本当に『太陽にほえろ』のレギュラーになってしまったというプロフィールはすさまじい。


軍関係に勤務するアメリカ人の父と日本人の母の間に生まれた。高校時代はボクシング部に所属していたが、暴力事件を起こし少年院に。出所後、突然「『太陽にほえろ!』に出演する」と周囲に告げて上京、文学座に入った(夕刊フジ
彼がデビューしたのは、あと3年すれば『あぶない刑事』がはじまる1983年。だけど、彼のルックス、佇まい、過剰なアツさはどれも70年代だった。ファンサイト『ムシムシ又野クラブ』のプロフィールには「遅れてきたアクション・スター」とある。最期に彼の初出演映画のテーマ曲『さよならの女たち』から引用。
「さあゆけよ、バックミラーの風景は見ないで」
合掌