喧嘩屋一代 どでかい奴(監督/池広一夫、脚本/石松愛弘)

先週観た『座頭市千両首』に味をしめ、同じ池広一夫監督、勝新太郎主演の現代もの『喧嘩屋一代 どでかい奴』を鑑賞。
池広一夫という監督はデビュー3作目の『沓掛時次郎』で、西部劇タッチの股旅ものを撮った経歴もあるとのこと。期待大。音楽はガンダム&旧白い巨塔渡辺岳夫大映作品。
 クルマを盗んではスクラップにして日銭を稼ぐスラム街のごろつきたちの用心棒“ゴキブリ=青木五郎”が勝新の役どころ。孤児院で働く若い藤田弓子に思いを寄せ、孤児院の子供にも人気のある五郎。ある時彼の守るスラム街は、市の浄化政策により立ち退きを迫られる。その市側の責任者は五郎の昔馴染みだった。その昔馴染みに藤田弓子をとられてしまった五郎は、やけくそとなり敵対するやくざの事務所に殴り込みをかけ大暴れの後、ムショ入り。1年後、仮釈放の身元引受人を引き受けた昔馴染みは市長候補になっている。その彼の為に五郎は彼を恐喝する組のボスを刺し殺す。しかし藤田弓子の心変わりで彼に利用されたことに気付いた五郎。だが結局、警察に包囲され撃ち殺される。
ゴーゴー喫茶のシーンが出てくるがそこでバンドが演奏しているのは『燃えろサーキット』というリンド&リンダースというGSバンドの曲ともう一曲は『恋のシャロック』で、中尾ミエの曲。後1曲演奏していたがそれは知らない曲。ただし、どちらも演奏は筋書き同様ショボショボ。期待はずれの1作。
オープニングタイトルやキャバレーシーンの音楽なんかはカッコイイんだけどねえ。同じ時代の作品だと『野良猫ロック』シリーズとか『不良少女魔子』なんかの日活作品の方が断然おもしろいし、ゴーゴー喫茶のシーンなどもカッコイイと思った。