『ユリイカ』のポン・ジュノ特集

今でている『ユリイカ』のポン・ジュノ特集で、「都市化とそれに抵抗する残余」という題名の原稿を書いています。

主な参考資料として「@nifty:デイリーポータルZ:韓国は団地天国だった」を引用しています。
正最初の原稿のオファーは、「ポン・ジュノが描く郊外的な風景について」だったのですが、その視点で長編映画を全部見直したら、郊外ではなくむしろ都市化が描かれていたので、急遽変更。
韓国の都市化、高度経済成長を日本のそれと比較し、高度成長期の日本が描いてきた映画のパターンとの簡単な比較などをしています。
一方、本特集では最近、『神話が考える ネットワーク社会の文化論』を上梓した福嶋亮大さんが、脱臼したハードボイルドとしてのポン・ジュノを語り、後半は成熟を巡る問題としての『グエムル』『母なる証明』論を書いています。これがとてもおもしろいです。

僕は正直『グエムル』『母なる証明』の二作を、どう観ていいのかまったくよくわからなかった(笑)。なので、これらはほぼスルーして、『ほえる犬は噛まない』と『殺人の追憶』の2作をもって上に書いたような原稿を書いたわけですが、福嶋さんはまったく視点も取り上げている作品も違いながら、少し主題が接続したりしていておもしろいなあと。

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殺人の追憶 [DVD]

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