盆踊りは近代の産物

昨日、地元に近い巣鴨で盆踊りをやっていた。場所柄なのか「ちびまる子ちゃん音頭」とかではなく、「きよしのドドンパ」とかがかかっている。
やぐらの回りで輪になって踊るというスタイルの盆踊りは、古くからある伝統芸能のようにも思えるが、実は昭和初期に『東京音頭』のレコードが作られた際に、その販促キャンペーンとしてレコード会社が仕掛けたもの、という話は『タイアップの歌謡史 (新書y)』で取り上げた。
他にも、炭坑節なんかは炭鉱労働者の歌であることからも自明だけど、近代のもの。
どちらも、いわゆる近代に造られた「新民謡運動」でモダンな民謡として、作られている。
なので、せいぜいスウィングジャズと同じくらいの歴史しかない。1933年に作られた『東京音頭』と同じ年のポピュラー音楽はデューク・エリントンの『ソフィスティケイテッド・レディ』やスタンダードの『煙が目に染みる』とかその辺。伝統音楽とは言い難い。