ライターの肩書き出世問題

僕は自分の名刺の肩書きには「編集者・ライター」と書いている。世間的に一番通りがいいのは「フリーライター」という言葉なんだろうけど、どうも2時間もののサスペンスドラマの見過ぎなせいか、「フリーライター」という言葉にいい印象がない。2時間ドラマに出てくるフリーライターってのは、ダサいグラサンをかけていて、プリントの開襟シャツとかを着ていた態度の悪い嫌われ者の男で、事件の裏側を追いかけようとして2番目くらいに殺されがちだ。若いころ小倉一郎がよくやっていた。
 

まあ、それはともかく、ライターという肩書きって先詰まり感があり、多くの同業者が次第に別の肩書きへと出世していきます。だってライターって肩書きだと、あまりテレビや新聞にコメントを求められなさそうでしょ。
 
こういった場合、一番多く利用される肩書きが「ジャーナリスト」。なんとなく名乗りやすいし、別に他からの認証も必要としない。つまり誰でもなれる。

次は「評論家」。得意分野が有れば、経済とか文芸とか専門ジャンルを頭に付ければおさまりもいい。そうでない場合は、ただの評論家と名乗る。その方が偉そうだし。この肩書きだとNHKとかかなりお堅いところで偉そうにコメントできそう。イメージは竹村健一かな。

もっと偉くなると、「作家」がある。なぜか猪瀬直樹立花隆をライターと呼ぶ人はいない。やっぱり作家だ。小説家やマンガ家は最初から作家だけど、ライターが作家になるには大宅壮一賞とかを取らないとだめかもしれない。これは敷居が高い。
 
というわけで本題ですが、僕もそろそろライターからひとつの上の階層に移行したいと思い始めているわけですよ。なので、上の三つの選択肢からひとつを選ぼうと思います。
まあジャーナリストって柄ではないな。作家もない。というわけで消去法で評論家にします。
まあ、ただの評論家はおこがましいので、専門分野を頭に付けます。というわけで、今日から僕の肩書きは「ケータイ小説評論家」ということにします。ケータイ小説評論家の速水健朗です。さっそく名刺に刷るぞ。