『ジャニヲタ 女のケモノ道』

ジャニヲタ 女のケモノ道

ジャニヲタ 女のケモノ道

読了。
なぜこうまではまってしまうのか、ジャニーズの魅力についていろいろ語られているんだけど、興味深かったのが、「所属タレントの数が多いジャニーズならではのファミリー感」という発言。
信長の野望』とか『仁義なき戦い』とか『花のあすか組』とか、多くの登場人物が権力闘争を繰り広げる国盗り物語絵巻が大好きなメンタリティっていうのは日本の心。
 
ジャニーズについては『タイアップの歌謡史 (新書y)』で取り上げたけど、このCDが売れない時代に、唯一成功しているというところはもっと注目されるべき部分。J事務所はマスマーケティングの終焉が叫ばれる以前から、それを否定して、根強いファンを作るという戦略をとってきた。で、いくら搾取しても平気な強靱な消費者の方々を産み続けてきた。その記録としてもおもしろい。

この本の後半は、バンドブームで原爆オナニーズにはまり、渋谷系ブームでフリッパーズ・ギターにはまりっていた著者が、なぜかその後にジャニーズに流れるという自分語りになる。ここが一番読み応えがあった。
ジャニーズの道はまさに被差別音楽の道ですね。

著者ははてなでブログも始めた模様。
http://d.hatena.ne.jp/motsuma/