『嫌老社会』の著者にインタビューしました


【長沼行太郎氏インタビュー】老いる社会と向き合うために(前編)〜嫌老社会はなぜうまれるのか?
 
この『嫌老社会』は、お年寄りを大切にしましょうという本でも、老人が貯め込んでいるから若者が貧乏しているんだと主張する本でもない。
強いていうなら、老いについてのカルチュラル・スタディーズ的な研究というのが一番近いんじゃないか。
著者の長沼氏は花村太郎名義でかつての別冊宝島で活躍していた人物。今は大学の先生ですが、『団塊パンチ』に寄稿したりしてます。その辺のバックボーンを知って読むと納得する部分も多いはず。
上のインタビューはその辺の理解を助けるサイドテキストになるんじゃないかと。
 
例えば若い労働力のみが価値のある存在とされる近代の産業社会において生じる傾向であるというのが嫌老社会。とくにインタビューでお聞きして興味深かったのは、近代の家族像の変遷についての部分。
明治時代の国策として家族団欒という概念が生み出されたのだという話。江戸末期から明治初期は離婚が多く、家族は崩壊気味だったらしい。そして核家族、ニューファミリー、家族崩壊と突き進むのはご存知の通り。つまり、家族像というのは時代とともに変わるのが当たり前であるのに、それを普遍のものとして捉えてしまったのが、いまの行政の混乱の始まり。
などなど。