『エロの敵』読みました

エロの敵 今、アダルトメディアに起こりつつあること (NT2X)

エロの敵 今、アダルトメディアに起こりつつあること (NT2X)

エロ雑誌、AVというメディアの歴史が詳しい。
伊藤俊治(学生時代授業にもぐりこんだことがある。難しくてよく分からなかった)が著書『裸体の森へ―感情のイコノグラフィー (ちくま文庫)』の中で「エロティック写真は社会に受け入れられればられるほど、どんどんその意味深い欲望の対象を失っていく。タブーなしではエロティック写真は日陰に置かれた日時計のようなものでしかない」と指摘しているけど、まさにエロはタブーのないどんづまりまで来た感がある。むしろ今はそれを通過して児童ポルノ等、逆に規制の方向に向かっているらしい。いや向かわないともうエロくないというところまで来たということ。
児童ポルノを放置するのはどうかと思うけど、それを規制することはエロとしての価値を高めるということでもある。その辺は某単著系ライターに聞いてみたい。禁止された方が萌えます?
話は変わって、

2000年代を迎えた頃から、エロ雑誌業界に危機の声が聞こえ始める。エロ雑誌の売り上げが急に落ち始めたのだ。
その理由としてあげられたのが、インターネットの普及だった。

そういやレコード業界も、98年をピークにCD販売量が激減する。インターネットという理由は避けられないところだとは思うけど、それ以外に消費傾向の転換期となる理由があったりしないのかな。他にもこの時期に落ち込んでいる産業はあるのだろうか。


あと、エロ雑誌にあった「編集者が好き勝手やっていたモノクロページ」は僕は松永さんとは違って一切読まなかった口。だけどアイドル投稿写真系の雑誌はアイドルの盗み撮り半分、カメラ小僧的カメラの話半分だったので、古本屋で安く買ってカメラの話だけ読み漁ったことがある。カメラ小僧の世界ではニコンは少数派でキャノンが標準、意外にミノルタが通向けのブランドとして人気だったりする(15年位前の話)。で、バリバリ機能重視で、F値の大きさ無視でズームの倍率競争みたいな価値観が強いことがわかったりして面白い。カメラ小僧の20年史とかいう本が読みたい。