最近のヒット曲にはタイトルに“花”の名がつくものが多い

NHK人間講座として放送された阿久悠の『歌謡曲って何だろう?』のテキストを読むと、戦前戦後の流行歌の定番は「マドロス*1とか花売娘」だったそうだ。
花売娘もマドロスもいわば職業。だけど、いまどきは職業をモチーフにした歌はあまりないような気がする。じゃあいまどきの傾向は何なんだろう?

去年おととしの年間チャートをざっくり見てみて、ひとつのキーワードを見出すことができた。

花が多過ぎる(さくらんぼだけは実だけど)。
かつてのフォークソングならフラワー・ムーブメントの影響、グループサウンドだったら宝塚的イメージとか、すぐに何の影響かわかるんだけど、上の曲に共通点はあるのか?
花から喚起できるイメージは、愛、美しさ、可憐、性、終末、自己犠牲、死、刹那……。
『世界に一つ〜』の場合の“花”と大塚愛の“さくらんぼ”はセクシャリティのアナロジーだと思うけど、その他は上のタグの中で当てはめるとすれば“刹那”だろうか?


歌謡曲って何だろ (NHK人間講座)

歌謡曲って何だろ (NHK人間講座)

*1:船乗りのこと