最近のヒット曲にはタイトルに“花”の名がつくものが多い
NHK人間講座として放送された阿久悠の『歌謡曲って何だろう?』のテキストを読むと、戦前戦後の流行歌の定番は「マドロス*1とか花売娘」だったそうだ。
花売娘もマドロスもいわば職業。だけど、いまどきは職業をモチーフにした歌はあまりないような気がする。じゃあいまどきの傾向は何なんだろう?
去年おととしの年間チャートをざっくり見てみて、ひとつのキーワードを見出すことができた。
- 『世界に一つだけの花』SMAP
- 『さくら(独唱)』森山直太朗
- 『ハナミズキ』一青窈
- 『さくらんぼ』大塚愛
- 『桜』河口恭吾
- 『花』ORANGE RANGE
- 『雪の華』中島美嘉
- 『冬のひまわり』チェウニ
- 『花風』aiko
- 『サクラ』『花鳥風月』ケツメイシ
- 『君という花』ASIAN KUNG-FU GENERATION
- 『月光花』ジャンヌダルク
- 『初花凜々-しょかりんりん-』SINGER SONGER
- 『夜空に咲く花〜eternal place〜』YeLLOW Generation
- 『白い花』ZONE
花が多過ぎる(さくらんぼだけは実だけど)。
かつてのフォークソングならフラワー・ムーブメントの影響、グループサウンドだったら宝塚的イメージとか、すぐに何の影響かわかるんだけど、上の曲に共通点はあるのか?
花から喚起できるイメージは、愛、美しさ、可憐、性、終末、自己犠牲、死、刹那……。
『世界に一つ〜』の場合の“花”と大塚愛の“さくらんぼ”はセクシャリティのアナロジーだと思うけど、その他は上のタグの中で当てはめるとすれば“刹那”だろうか?
- 作者: 阿久悠
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 1999/07
- メディア: ムック
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*1:船乗りのこと