映画『夢のほとり』

昨日(土曜日)下北沢のショートフィルム専門上映館『トリウッド』に、『夢のほとり』という映画を見てきた。

ストーリー的には連続性はあるものの、取り立てて起伏のある物語はない。マックや録音機材、ケーブルに溢れる自分の部屋で、電話の交換手のようにネットワークを繋いだり混線させたりしている「エレクトロ少女」がゴミ捨て場で男の子に出会う。男の子は謎の巨大魚の観測を行う電波小屋に二人の女の子と生活しており、少女もそこに連れて行かれる。4人は謎の魚の出現に立会い、虹がかかる。というのが一応のストーリー。
台詞は少なく、意図的に説明はあまりなされない。
ディックの「ムードオルガン」的に人の感情をコントロールする映像の連続的な映画。通信機器=不安、病院=静寂、水=リビドー、虫取り網・花火=感傷、虹=大団円、みたいな感じで非常に記号的に映像を扱っている感じ。
悪くいうと、なんかミステリアスな少女が出てきてボートに乗ったり、男の子と女の子ががらがらの電車でわざと隣に座らないカットがあるとミニシアターっぽいでしょ? っていうミニシアターメソッド。正直、感傷とか情緒的なものを表立って見せる類の表現は苦手なんで、花火のシーンとかはギャグにしか見えなかった。
「音響系以降」(by西島大介)というのがうまくいいあらわしている。もしくは「電波女」(gotanda6)。監督はまだ若いんだけど、アニメの『lain』影響を受けたらしい。後半のセカイ系のさらに先ですよ(!)。
実は目当ては、上映後の監督と西島大介トークセッションだったんだけど、これ書いていいのかなあ。客、3人しかいませんでした。初日なのに。
『夢のほとり』
http://www.yumenohotori.com/


p.s.えーと、俺はいつまでこのデザインでいくんだろうか? 読みにくいならさっさと撤退した方がいいのかなあ。