その2 フィードバックをかき消せ!

俺がJBだ!―ジェームズ・ブラウン自叙伝 (文春文庫)
ジェームス・ブラウンの自叙伝を読んでるのですが、その中のオモシロイ箇所を引用してメモしておくエントリーです。


 刑務所を出たJBはついにバンドをはじめ、近隣のクラブなどに出演するようになっていきます。バンドといっても楽器のひとつもなく、ドンドン足を踏み鳴らして歌っていたJBたち。そんなバンドにギターが弾ける奴が加入。喜んだバンドのメンバーたちは金を出し合ってアンプとエレキギターを購入します。シアーズに注文し、ひと月待ってやっと届いたアンプは、「信じられないくらいちっこい」ものでした。もちろん安物だったのでしょう。


アンプは俺たちの声に真っ向から張り合うかのような大音響をフィードバックするようになり、俺たちはそれ以上の大声で歌わなければならなくなった。<中略>俺たちはそいつをやってのけた。そうしなきゃならなかったんだ。アンプの音を消すためにな。
大きな声で歌えばさらにフィードバックもさらに増大するのでは? などという突っ込みはいりません。JBがファンクネスを獲る過程について語られた貴重なエピソードです。にしても、この自伝はオモシロ過ぎ!


(引用元『俺がJBだ!―ジェームズ・ブラウン自叙伝』ジェームス・ブラウン、ブルース・タッカー/著 山形浩生渡辺佐智江、クイッグリー裕子/訳)