ワイルド・エンジェル

gotanda62004-04-06

郊外の小さな家の庭。幼い子供たちがままごとをしている。その側を、もう少し大きい子供が三輪車で走っている。飛び出してきた三輪車の前で止まるハーレーのオートバイ。乗っているのは皮ジャンにレイバンピーター・フォンダ。不良バイク乗りも実は無垢な存在であることを暗示させる冒頭。
失踪するバイクにタイトルがかぶる。『THE WILD ANGELS(ワイルド・エンジェル)』。
ホントはピーター・フォンダが子供並の演技力しか持っていないことの暗示なのか? と思わせるほどフォンダの大根振りばかりが幅を利かせる映画。
主人公たち(ヘルズ・エンジェルズ)が序盤で目指すメキシコの町の名が“メッカ”。このイスラム教の聖地の名を配した町でエンジェルスは大暴れ。だけど、ここは筋書きには関係のないシークエンス。ここでこのシークエンスの意味を考えても無駄。だって、製作・監督はロジャー・コーマンなのだから。
その後、仲間の1人が怪我をし捕まり、エンジェルスの皆で助け出す。しかし怪我を負っていたその仲間は死亡。森の小さな教会で葬儀を挙げるが、牧師の説教に異を唱え、またも大暴れするエンジェルス。牧師に暴行するは、死んだ仲間の情婦をレイプするは、とても無垢とはいえない暴れっぷり。その宴の後、ピーター・フォンダ演じる主人公はひとり苦悩して終わる。だけど、物語の冒頭から終始ピーター・フォンダは苦悩の表情しか見せていない(苦笑)。
この馬鹿バイカーアイドル映画の血は太平洋を越えて『不良番長』シリーズ、しいては『ハイティーン・ブギ』(`82)へと受け継がれていく・・・・。いやいや、この映画からアイデアを膨らませて、『イージー・ライダー』が製作されている。
そして、primal screamの『loaded』のオープニングでセリフがサンプリングされたことでも知られている。

「We wanna be free to, to do what we want to do. We wanna be free〜」
「loaded」で使われたこのセリフ部分はココでダウンロードできる。