桐野夏生『東京島』読んだ

東京島

東京島

無人島に漂流した若者たちと中国人たちのサバイバル小説。集団なかから、自然発生的に政治家が生まれ、思想が生まれ、宗教が生まれ、社会が作られていく。漂流ものとしてよりも、『闇の奥』を彷彿させる。
多分、天皇制についての寓話なんだろうと思う。主人公は清子だ(「さやこ」じゃなく素直に「きよこ」なのだが)。
読んだのはひと月前。そのうちネットに作中の数字や日付を解き明かした、謎解き的な評が出てくるかと思ったんだけど出てこない。まあ、こういう分析は『メタボラ』についても出てこなかった。秋葉原の事件を『メタボラ』と結びつけるようなネットの意見もなかったっけ。