堀井憲一郎『落語の国からのぞいてみれば』感想

落語の国からのぞいてみれば (講談社現代新書)

落語の国からのぞいてみれば (講談社現代新書)

赤木本(asin:4902465124)を読んで、一番収穫だったのは堀井憲一郎の『若者殺しの時代』(asin:4061498371)を知るきっかけになったことかも。もちろん、堀井は週刊文春の連載で知っていたのだけど、はじめて興味を持って過去の著作に遡ったりした。

で、この新刊も読んだ。おもしろかった。
落語をモチーフにしているが、テーマは個性。江戸時代には名前は個人に属すものではなく、代々継ぐもの、屋号のようなものと考えられていた。だから、落語家も代々名前を襲名していく。
それが、近代以降には名前が個人の属性になる。現代になればなるほど、子どもにとても個性的な名前を付けてしまうようになった。
現代においても、名前は社会的なものなはずなのに、そこに読めもしない当て字の名前を付けるのはどうなんだろう。個性をはき違えているのは親か。今の30前半は、個性重視教育が始まった世代だからな。俺か。

 
あとなぜか、最近ブログで個性が話題になっている。この辺↓

そもそも君らに個性などない
個性は本当に獲得するものなのか?
『世界に一つだけの花』という愚劣なタイトルの歌について
 
なので、タイムリーな新書かも。