コンテンツに金払うか問題・格闘マネーウォーズ編

id:number29さんからご指摘。

「コンテンツに金を払うかどうかという問題なんじゃないか」という意見が出ていて、俺も基本的には同感、なんだが、例示されているUインターとかRINGSはちょっとそこで出される例としては不適切だと思ったので、プロレス・格闘技に造詣の深いgotandaさん相手におこがましいのもいいところだがちょっと指摘。
http://d.hatena.ne.jp/number29/20071004#p3

突っ込みうれしいです。これは知ってて、かなり省略で書きました。

PRIDEが消滅したことに対して格闘技ファンがあまりに淡泊なのは、Uインター、RINGSと順調に真っ当なコンテンツが無くなってきた歴史と向き合ってきたから、もう慣れっこなんですよ、という自虐&皮肉話だったんです。
 
拝啓 けいこちゃん
ところで僕はPRIDE消滅に関しては、かなり本気で腹を立てている派です。
PRIDE消滅の原因はフジテレビの撤退じゃないよというのはやっぱり主張しておきたいです。
ちょっと長い。
英のサッカー一部リーグは、つい10数年前までは貧乏リーグだった。そこに現れたのが、豪のメディア王マードック。彼はその所属全チームを金で引っ張って、一部リーグを脱退させ、強引に自らの新リーグ“プレミアリーグ”を発足する。裕福になったチームは欧州中の名選手を高額で引き抜いて、英プレミアは欧州でもっとも魅力的なチームになった。プレミアリーグの試合は英国人だけでなく、世界中が見たがった。マードックはその放映権を全世界に販売して、大きな利益を産んだ。
グローバル化したメディアの世界で起こっているのはこういうことだ。
 
ここ数年、総合格闘技にも、サッカーのようなグローバル化が押し寄せていた。
アメリカでUFC人気が急騰し、PRIDEとの間の競争により、ギャラが高騰。PRIDEが日本だけの市場では賄えなくなり、米進出に踏み切ったのがこの頃。
しかしUFCペイパービューでがんがん金を集めることに成功し、この競争に勝ちつつあった。しかも、向こうはバックにカジノマネーがあったのも大きい。
しかし、この状況にフジテレビは、競争から速攻で離脱。コンテンツ囲い込み競争に参戦するどころか、無料同然で価値のあるコンテンツをくれてやったわけだ。その理由が週刊現代に叩かれた闇組織とのつながりとかいうのは疑わしい。もっと違う何かの働きなんじゃないか?

とにかく、フジテレビはグローバルな市場とかってのが理解できていないのだろう。できたとしても↓この程度のものだ。

踊る大捜査線 BAYSIDE SHAKEDOWN 2 [DVD]

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PRIDEはなくなったし、UFCの中継すらテレビでは見ることができない。日本人がコンテンツに金を払わないとなめられているんじゃないか。俺にミルコを返してくれ。あとヒョードルは犬を食べないで欲しい。
 

あと、

プロレス・格闘技のビジネスの変遷を具体的な主要団体総ざらいする形で描いた本とかないんでしょうか。

に関しては、その前史がおすすめ。

興行界の顔役 (ちくま文庫)

興行界の顔役 (ちくま文庫)

興行界の首領・永田貞雄についての本。浪曲手配師の世界から、ビートルズの日本公演までの興業の歴史が書かれている。これを読むと、PRIDEなんてかわいいもんだよねと思うよ。昔の日本プロレス協会は、“会長・児玉誉士夫、副会長・田岡一雄”という世界だったわけで。

CONTENT'S FUTURE ポストYouTube時代のクリエイティビティ (NT2X)

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