合理主義、成果主義によって失われた企業内のコミュニケーション

タバコ部屋は僕らのパラダイスなのさ!
企業内の合理主義・成果主義の徹底により失われたものの代表的なものが、たばこ部屋やアフターファイブの赤ちょうちんをはじめとする、社員同士のコミュニケーション。

たばこ部屋が消えたのにはほかにも理由はあるけど、業務中に休憩と称してたばこを吸うのはいかがなものかという論理が後押ししたせいで、あっさりと消えた。

だけど、本当にそれで業務の効率化は進んで、いい結果は出たのか?

実際にたばこ部屋で行われていたコミュニケーションを具体的に挙げると、

  • 他部署との交流
  • 上司と部下など世代間の交流
  • 派遣社員やアルバイトスタッフとの交流

といったところ。

現代の企業において、このような機会は実はほとんど無い。いまって新人の歓迎会だってやらないでしょ。やってもプロジェクトチームの中だけ。制作の人間が営業の本音を聞く機会みたいなのってほとんどない。
特にひどいのが、世代間断絶。プロジェクトといっても、効率重視で同じような年代の人間が固まっているだけ。そもそもIT系なんかはほんと狭い年代幅の社員しかいない。
あと、アルバイトや派遣の人間は、いいたいことがあっても面とはいえない事が多い(言っても自分の成果にならないし)。

だけど、アイデアというのは、まったく異質のモノ、未知のモノと出会って、生まれるモノ。同じような考えや世代の人間同士ではいつか行き詰まる。おばあさんの知恵袋じゃないけど、老兵はなんかしらの経験や知恵を持っているもの。でも効率重視の現代の企業ではそれらを活かせるシステムにはなっていない。


このような、いったん失われたたばこ部屋的なものが、実は業務のダイナミズムにつながっていたのではないかということに気付いて、それを取り戻そうという企業が現れている。

シンクタンクでは、ゲーム機やテレビやお菓子が並ぶアイデア部屋だか休憩部屋を作って、かつてのたばこ部屋に変わる場所を作ったんだけど、そんなには機能していないみたい。これはほんの一例。実に多くの企業が、失ったコミュニケーションを取り戻すべく工夫をしている。


一方で失われたコミュニケーションをネットの中に持って行くことで成功している事例がいくつかある。たとえばユニクロユニクロでは、アルバイト店員がちょっとしたアイデアを気軽に出せる場所として社内ブログを立ち上げて成果を上げている。
このような、失われた社内コミュニケーションを別の形で取り戻すために、社内ブログというツールを使ってみようよという本がこちら。
上で挙げたような話や、企業の成功事例をこの本でいくつも取り上げているのでよければぜひ。
かなり手応えのある本なんだけど、家のアソシエイトからは一冊も売れてない(涙)。

社内ブログ革命 営業・販売・開発を変えるコミュニケーション術

社内ブログ革命 営業・販売・開発を変えるコミュニケーション術