武田徹『NHK問題』と『タイアップの歌謡史』
今までNHKの受信料は徴収員に宗教上の理由だと嘘八百を並べて、びた一文支払いを拒否してきたのですが、紅白のDJ OZMAで見直し、今年からは払ってもいいと思っています。bounce me bounce!
で、武田徹の『NHK問題』。戦前、ラジオ体操が国家意識の形成、全体主義化に関与したかという話から、三木鶏郎の『日曜娯楽版』による政権批判(パロディの手法による)への圧力問題、テレビ地上波放送開始、ハイビジョン放送の規格を巡る争いなど、単なる昨今のNHKのスキャンダル関連の批判本ではなく、日本の放送史という大きなテーマを論じた一冊でした。
ここからは本当に畏れ多いのですが、(ココから先、<FONT SIZE="-5万">で)拙著『タイアップの歌謡史』との比較です。
拙著では、戦前にレコードやラジオというメディアが生まれることで、統一国家としての国家意識がはじめて形成されるということを、戦争へ向かう一歩手前の時期の『東京音頭』の大ブームを例に挙げて紹介しています。
そして、戦後、NHKラジオ『日曜娯楽版』の政治風刺音楽で名を成した三木鶏郎は、圧力その他から政治風刺から離れ、民間放送の開始とともにCM音楽の大家におさまります。その辺は、プレ・タイアップ音楽=コマソンとして、当然拙著で拾っています。三木鶏郎自身はもちろんですが、いずみたく、桜井順、大森昭男といった三木門下生が日本の歌謡曲・ポップスの歴史を生み出したかということについては、本書でも大きなテーマとして扱っています。
ほんと畏れ多い指摘ですが、この2冊は日本の放送史を民放側とNHK側という立場でなぞっていたりします。
『タイアップの歌謡史』本日発売です。ただし、アマゾンでは現在品切れ中とのこと。これはありがたいんだか、ありがたくないんだか。
『NHK問題』と一緒にぜひ店頭でどうぞ!
- 作者: 武田徹
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/12
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- 作者: 速水健朗
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2007/01
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【追記】
今日発売と書きましたが、書店に確認に行ったところ、明日午後配本予定とのこと。もし探しにいかれた方がいましたらすみませんでした。