映画『電車男』観てきた。

ココを読んで、「観客の反応を見」に行くつもりだったんだけど、冗談抜きに面白かった。
上記記事で取り上げられている、「このお店、マターリしててモチつきますね」「おかわりキボン!」みたいなセリフに突っ込みを入れるつもりで構えていたんだけど、逆に釣られた。
この手の恥ずかしい台詞や、執事とメイドが3人いるエルメスたんのおうちとかは出てくるんだけど、それらは名無しさんたちの妄想シーンだったという軽いどんでん返しで切り替えされてしまう。向こうが一歩上手。そういうのをネタとして昇華してる。やられた。釣られた。
山田孝之に無理矢理ヲタの格好をさせた」という前評判とは逆で、髪を切っておしゃれをした後でも、動作だけでヲタっぽい違和感を残す山田孝之の演技がかなりおもしろかった。
オタク的なリアリティでいうと多分突っ込みはいろいろ入いると思う。電車男の部屋に貼られてるポスターは『イノセンス』と劇場版『パトレイバー』。Tシャツは百式だしガンダム系のグッズが多数登場。エルメスたんとの会話では「ウォシャウスキー兄弟が『攻殻機動隊』の影響を受けて云々」みたいな台詞を吐いたりする。「それってオタクというより、サブカルじゃねーの」的な突っ込みを入れる人もいそうな感じ。その辺のリアリティチェックは詳しい人にお任せしたいところ。

こっから先はネタばれがどーのっていう人は見ないでね。

僕が原作(まとめサイト)の『電車男』に持った違和感というのは、安田理央さんがいっていたのと同じ部分。

本当の自分を変えたり、隠したりしてでも、女の子とつきあいたいということなんですか?
おまいらの「オタク」って、結局そんなもんなんですか?
http://www.fastwave.gr.jp/diarysrv/rioysd/200405c.html#20040531

というところ。つまり主人公がおたくから脱皮する物語になっているというところに違和感があった。だけど、映画ではそうではない形の結末になっていた。
エルメスたんと一旦破局を迎え、その後ネットの後押しを得てアキバへエルメスたんを探しに向かうシーンで、電車男の新調した服やコンタクトがはずれて、当初の“百式”Tシャツ&めがねという当初のヲタスタイルに戻る。そして、自分の気持ちを伝える。
つまり、ヲタのままの自分を受け止めてもらうラブストーリーになっている。僕はこの方が感情移入できた。
 
■ 劇場版「電車男」はてな感想まとめ 公開初日
こちらを見ると、おおむね評判はいいみたいね。
 
p.s.「一般人が見た偏見まみれのオタク像」っていう批判がいくつかあったけど、リアルなオタク描いてどうする(笑)。見てみたいけど。